「いくつもの ❝ ! ❞が重なって生まれ酒」を感慨深げに話されるのは、創業270年になる福井弥平商店(滋賀県高島市勝野)の福井毅社長・・・・。平成25年9月、台風18号の襲来で河川堤防が決壊し甚大な被害を被った同地区で、契約農家の必死な努力で収穫にいたった(一つ目の ! )地元産酒米「吟吹雪」。ご恩に報いる酒にしたい。。。。と考えた蔵元の福井社長は、江戸時代の醸造方法である『十水仕込み』への挑戦を決めた。少ない水で仕込む特別な手法は、貴重な米の旨味を活かすのに最善の方法・・・だと考えたからである。古い手法で醸した酒が、驚くほど新しい味わいの酒に仕上がった。(二つ目の ! )翌年秋、販売にあたりこの「奇跡の酒」は『雨だれ石を穿つ』と名付けられた。同蔵の酒とは異なる濃密ながら爽やかな味わいの酒は、新しいファン層を獲得していく事になる。飲むと熱烈なファンになってもらえる稀有な酒。今では福井弥平商店を代表する銘柄になった。(三つ目の ! )と福井社長・・・・。印刷用語で ! は『雨だれ』を指す。同酒ラベルに描かれている模様はまさに ! 。今年はこの酒が、どのような ! のニュースを届けてくれるのかと 夢は広がる。 滋賀県酒造組合 事務局長 澤 友二