街道沿いの銘酒『喜楽長』の喜多酒造には夢が一杯

ハ風街道(はっぷかいどう)をご存じだろうか?近江國は、日本列島のほぼ中央に位置し京の都の隣でもあったことから古より多くの街道が通っていた。東海道や中山道、北国街道などは有名であるが、八風街道をご存じの方は少ないだろう。この八風街道、現在の滋賀県八日市から三重県の四日市を結ぶ鈴鹿山脈の八風峠を越える街道である。東海道と中山道の短絡路で、今でいうバイパスである。この街道沿いに今年で創業200年を向かえた喜多酒造がある。(滋賀県東近江市池田町)創業は1820年(文政3年)で、銘酒『喜楽長』を醸している。「喜び楽しく飲みつつ長生きに」と、酒に願いを込めて造り続けられている。仕込み水は愛知川(えちがわ)の伏流水。水源は鈴鹿山系で石灰岩質の山のため、他の仕込み水よりミネラル分が多く酒造りに適している。米は県内産を主に使い、色々特徴のある酒を多品種少量生産している。滋賀県立大学の学生がプロデユースした「湖風(こふう)」や琵琶湖の内湖(ないこ)の飛び地で栽培した酒造好適米の~滋賀渡船(しがわたりぶね)6号~で醸す権座(ごんざ)。(★内湖の飛び地(島)の事を権座(ごんざ)と言う)。さらに~魚のゆりかご水田~(★琵琶湖の湖魚が田んぼに遡上し産卵・孵化し、稚魚が成長するまで田んぼで育ち、やがてまた、琵琶湖に帰っていく田んぼの事)で育ったコシヒカリで醸造した「月夜のゆりかご」などなど・・・・特徴のある清酒が多くある。現在、長女の麻優子さんが社長である父の後を継ぎ次期蔵元として蔵を盛り上げている。同時に彼女は執筆活動もしておられ、女性の目線で酒造りや日本酒の紹介をされている。四方山話の読者の皆様も是非、喜多酒造のいろいろ特徴のある清酒を楽しんで頂きたい。きっと喜多酒造の銘酒でサスティナビリティを感じて頂けることであろう・・・・と夢が広がる。            追伸:百済寺樽 と言うお酒も限定で醸しています。WEBで一度、調べてみてください。 令和3年7月29日投稿

                                   滋賀県酒造組合 事務局長 澤 友二